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【コラム】メンタルヘルス不調者への休職・復職支援の進め方 🌱(2026.6.17)

〜「戻ってきてよかった」と思える職場をつくるために〜

「最近、Aさんの元気がないな…」 そう感じていた矢先、診断書が一枚、机の上に。

中小企業の経営者・人事担当者の方から、いま最も多くご相談をいただくテーマのひとつが、このメンタルヘルス不調への対応です。専任の産業保健スタッフがいない会社も多く、「何から手をつければいいのか分からない」というのが正直なところではないでしょうか。

でも、ご安心ください。実は厚生労働省が、対応の道しるべとなる手引き(「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」)をきちんと示してくれています。今回は、その流れに沿って、現場で押さえたいポイントを4つに絞ってお話しします。😊


① 休職のはじまり 〜「安心して休める」が最初の支援〜 🛌

最初の対応で大切なのは、「ちゃんと休んでもらうこと」。意外かもしれませんが、ここでつまずく会社が少なくありません。

主治医の診断書(病気休業診断書)が出たら、まずは休職をスタート。そのうえで、ご本人が療養に専念できるよう、次の情報を早めに伝えてあげましょう。

伝えることなぜ大切?
💰 傷病手当金などの経済的保障お金の不安は回復の最大の敵
📅 休職できる最長期間ゴールが見えると安心できる
☎️ 相談先・復職支援サービス「ひとりじゃない」と感じてもらう

ここで就業規則に休職規程が整備されているかも、ぜひ確認を。「期間」「延長の有無」「復職の手続き」が曖昧だと、後でトラブルの火種になりがちです。🔥


② 休職中の連絡 〜“ほどよい距離感”がカギ〜 ✉️

「連絡したら迷惑かな…」「でも放置も心配…」 この悩み、本当によく分かります。

ポイントは、療養の妨げにならない範囲で、ゆるやかに繋がっておくこと。連絡が一切ないと、ご本人は「忘れられたのでは」と孤独を感じ、逆に頻繁すぎるとプレッシャーになります。

おすすめは、窓口を一本化しておくこと。あちこちから連絡が来ると、それだけで疲れてしまいます。「連絡は人事の○○さんから、月1回程度」くらいの“安心できるルール”を、休職前に決めておくとスムーズです。👍


③ 復職の判断 〜主治医と産業医、それぞれの役割〜 🩺

ここが、実は一番の正念場です。

ご本人が「復帰したい」と申し出たら、主治医の「復職可能」の診断書を出してもらいます。ただし、ここで知っておきたい大切なこと。

💡 主治医の「復職可能」は、**“日常生活が送れるレベル”**の判断であることが多く、必ずしも“バリバリ働けるレベル”とは限りません。

そこで登場するのが産業医。主治医が「生活面」を見るのに対し、産業医は「職場で求められる業務をこなせるか」を医学的に精査してくれる、いわば会社側の翻訳者です。

両者がうまく連携できるよう、主治医に情報提供を求める際は、必ず事前にご本人の同意を得るのが鉄則。健康情報はとてもデリケートな個人情報ですから、ここは丁寧に進めましょう。🔐

⚠️ 50人未満の事業場には産業医の選任義務がありません。その場合は、地域産業保健センター(無料)などの外部資源を頼るのも賢い選択です。


④ 復職プランづくり 〜“いきなり全開”は禁物〜 🚦

復職可能と判断できたら、いよいよ職場復帰支援プランの作成です。

ここでの合言葉は、「段階的に、元のペースへ」。久しぶりの出社は、本人が思う以上に体力も気力も使います。

復帰後の配慮の例を挙げると…

配慮の例イメージ
⏰ 短時間勤務からスタートまずは半日から慣らす
📋 軽作業・定型業務プレッシャーの少ない仕事から
🚫 残業・深夜業務の制限疲労をためない

そして、より丁寧に進めたい場合に役立つのが**「試し出勤制度(リハビリ出勤)」**。厚労省の手引きでは、①模擬出勤(勤務時間帯に図書館などで過ごす)、②通勤訓練(職場の近くまで行って帰る)、③試し出勤(実際の職場へ試験的に出勤する)の3つが例として挙げられています。

ただ、この制度には“落とし穴”があります。それが**「お金」と「ケガ」の扱い**。ここを決めずに始めると、せっかくの良い制度がトラブルのもとに。下の囲みで、押さえどころをまとめました。👇

📦 ちょっと深掘り:試し出勤の「お金とケガ」、こう決めると安心

分かれ道はたった一つ。**「業務に従事させるのか、療養の延長として慣らすだけなのか」**です。これによって、賃金・労災・傷病手当金の扱いがセットで決まります。

🟢 おすすめ(OK例)

  • 無給型にするなら、業務命令をせず、成果や責任を求めない“慣らし”にとどめる。この実態が伴えば無給でも適法とされた裁判例があります(NHK名古屋放送局事件・名古屋地裁H29.3.28)。
  • 有給型として実際の業務を命じるなら、最低賃金以上の賃金を支払う。
  • 「業務に従事=労働」なら労災の対象として整理し、規程に位置づけを明記。
  • 傷病手当金との整合に注意。軽作業でも業務に従事して賃金が出ると不支給になることがあります。「無給で傷病手当金を継続」か「有給で打ち切り」か、どちらかに揃えて設計を。

🔴 やってはいけない(NG例)

  • 無給のまま通常社員と同じ業務・ノルマを課す(→ 未払い賃金リスク)。
  • 「労使で合意したから最低賃金未満でOK」とする(→ 最賃法は合意では潜脱できません)。
  • 賃金・労災・傷病手当金を何も決めずにスタートする(→ ケガをした瞬間に紛糾)。

ひとことで言えば、「名目・実態・お金の流れ」の3つを一致させること。揃えれば、本人にも会社にも安心な制度になります。😊

なお、制度を導入する際は、目的が「あくまで復職可否の判断・療養支援」であること、期間や頻度、本人の同意、中止できる旨などを規程や同意書に明記しておくと安心です。📝

そして忘れてはならないのが、復職“後”のフォローアップ。復帰がゴールではなく、ここからがスタートです。🌸


おわりに 🍀

メンタルヘルス対応は、正解が一つではなく、人によって最適な道が違う、とても繊細なテーマです。だからこそ、「あらかじめルールを決めておく」「一人で抱え込まない」——この2つが、経営者・人事担当者の方を守る何よりの備えになります。

「人と組織が共に成長し、働く人が安心して力を発揮できる環境」。 休職・復職支援は、まさにその理念が試される場面です。一人でも多くの方が「戻ってきてよかった」と笑顔になれる職場づくりを、私たちも全力でお手伝いします。😊

休職規程の整備や試し出勤制度のルールづくりでお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。


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