お知らせ

【就業規則】🕐 労働時間管理、自己申告に任せて大丈夫?(2026.6.9)

「うちは自己申告です」——それ、実は"例外"の方法かもしれません

「タイムカードは入れていなくて、各自に時間を申告してもらっています」。中小企業の経営者の方とお話していると、このようなことを耳にすることがあります。コストもかからず、現場に任せられて一見スマート。

ただ、ここでひとつ大事な前提が。労働時間の把握方法には、厚生労働省のガイドラインが定める**「原則」と「例外」**があるんです。😌


📏 大原則は「客観的な記録」。自己申告は"やむを得ない場合"

ガイドラインは、労働時間の確認・記録の原則的な方法として、次の2つを挙げています。

原則の方法具体例
① 使用者が自ら現認上司が始業・終業を直接確認
② 客観的な記録タイムカード、ICカード、PCの使用時間の記録など

そして自己申告制については、原文にこう書かれています。

その2の方法によることなく、自己申告制によりこれを行わざるを得ない場合、使用者は次の措置を講ずること

つまり自己申告制は、**「客観的記録によれない、やむを得ない場合の方法」**という位置づけ。決して禁止ではありませんが、「原則のひとつ」でもない——ここが出発点です。


✅ やむを得ず自己申告制をとる場合に、満たすべき条件とは?

ここが一番お伝えしたいところです。前提として、**目指すべきは原則の方法(客観的記録)**であることは変わりません。そのうえで、どうしても自己申告制によらざるを得ない場合は、次の措置をきちんと講じてはじめて「適正」と認められます。😌

条件中身
① 十分な説明申告する従業員にも、管理する側にも、「労働時間とは何か」「正しい申告の仕方」を説明する
② 実態調査と補正PCログ等の客観データと申告に著しい乖離があれば、調査して労働時間を補正する
③ 申告を阻害しない「残業申告は月◯時間まで」など、正しい申告を妨げる仕組みを設けない
④ 自己申告超過分の確認申告時間を超えて社内にいた理由を報告させる場合、その報告が適正か確認する

ポイントは、「申告してもらって終わり」ではないということ。説明し、データと照らし、申告しやすい環境を整える——ここまでがワンセットなんですね。

【適正な自己申告制のイメージ】
 従業員が申告
   ↓
 客観データ(PCログ等)と照合
   ↓
 乖離があれば調査・補正
   ↓
 "信頼できる記録"として確定 ✅

⚠️ 「申告しづらい空気」も、立派な違反リスクです

意外と見落とされがちなのが、**③の「阻害しない」**という条件。これは明確な上限設定だけでなく、「残業を申告しづらい雰囲気」そのものもリスクになり得ます。

ガイドラインは、時間外労働削減の社内通達や残業代の定額払いなどが、適正な申告を妨げる要因になっていないか確認せよとまで踏み込んでいます。「制度上は自由に申告できます」だけでなく、実際に申告できているかが問われる、というわけです。

また、始業前の準備や、参加が義務づけられた研修なども労働時間にあたります。「自主的にやっていること」と思われがちな時間が、実は申告漏れの温床になっていることも少なくありません。


📋 仕上げは「就業規則と実態のすり合わせ」

就業規則に立派な労働時間管理の条文があっても、現場で運用されていなければ、いざという時に会社を守ってくれません。

なお、出勤簿やタイムカード等の労働時間の記録は、労働基準法上3年間の保存義務があります。「申告ベースだから記録がない」では済まされない、という点も押さえておきたいところです。


🌱 まとめ:自己申告制は「適正に運用されてこそ」OK

整理すると、こうなります。

「うちは自己申告だから大丈夫」を、「うちは自己申告でも、ちゃんと条件を整えているから大丈夫」へ。その違いが、トラブルの起きにくい職場と、働く人の安心をつくっていきます。

そして——可能であれば、客観的記録への移行を検討するのが最も確実です。近年は安価なクラウド勤怠ツールも増えており、原則の方法に近づけるハードルは下がっています。「いつかは」と考えているなら、これを機にぜひ。

ご自社の運用が条件を満たしているか気になる方は、お気軽にお問い合わせください。一緒に整えていきましょう。😊

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